フェアトレードについてのひとり言
昨日書いた内容に付随する話として…。
フェアトレードという言葉がありますが、
ウィキペディアで意味を調べてみると、
「公正取引。発展途上国の原料や製品を適正な価格で
継続的に購入することを通じ、
立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と
自立を目指す運動である。」とあります。
個人的には発展途上国の労働者に対し、
本来支払うべき価値のある労働に対して
労働者から賃金を搾り取る業者が多い中、
その仕事に見合っただけの賃金をきちんと支払うことで、
フェア(公平)な取引を行う事だと、ほんとにざっくりではありますが、
そんな感じで解釈しています。
ただ、こう言ういかにも「良い事してますよー。」アピールをしたいがために、
なんでもかんでも「フェアトレード」という言葉を掲げて、
商売をしている人もなきにしもあらずと思っています。
「これ、フェアトレードの商品だよ!
ちょっと高いけど買ってくれれば貧しい国のためになるよ!」
みたいな売り文句で商売している所はマユツバです。
フェアトレードの商品でも、買い手が本当にその商品が良いと思って
購入してくれるのが理想だし、途上国の人も買い手に
そういう気持ちになってもらうための努力をしないといけないと思うのです。
ところでフェアトレードの本質って何でしょうね?
私はそこまで現地に入り込んでいる訳でもないし、
知識も浅いので、偉そうに語るのはおこがましいのですが、
発展途上国の人に、単に経済的な手助けをするだけでなく、
自立や成長をすることの大切さみたいなものに
気づいてもらう事も含まれているのではないかなと考えます。
単にボランティアというと、弱い立場の人を
無償で助けるというような感覚がするのですが、
もちろん震災で被災した人などは立ち直るまでの間、人の手が必要なので、
そういう場でのボランティアというのは必要なことだと思います。
でも、発展途上国(ここではモロッコに限らせていただきますが)の
職人や労働者に対しての
”ボランティア”って何だか違和感を感じるのです。
(ここで言うボランティアの意味は相手を完全に弱者と見なす感じというか…)
ボランティア感覚で、モロッコの業者や職人と向き合ってしまうと、
あまり質の良くないものでも「いいよ、いいよ。」と
受け入れてしまうような感覚がします。
でも、それってビジネスという目線で見た時、買い手の立場も考えたら、
そんな甘いことではいけないのではないのかなと。
ボランティア感覚で作ってもらったものだから、
品質の甘さに目をつむるというのではなく、
買っていただくにはそれなりの品質のものを作らないといけないよ。
そして良い物を作ればそれに見合った報酬は払うよ。
そういう感じがフェアトレードなんだろうなと思うし、これって対等ですよね。
ビジネスパートナーにはどっちが上とか下とかなく、
お互いが同じ立場で土俵に上がる事が、
かえってモロッコの人達に対しての礼儀のような気がします。
そしてそういう意識を植え付けていく事が、
本当に彼ら彼女らにとっての生活レベルの向上に繋がるのではないかと思います。
という事で、個人的にはボランティアと
フェアトレードは似て否なるものととらえています。
でも、ここで言うボランティアとフェアトレードを
混同している人もいると思います。
当店とモロッコの間に入っていただいている日本の業者の方も、
そのような考えの持ち主であったため、
私は直接はモロッコの人と話をしたり接している訳ではないけれど、
間接的にでもいわゆるフェアトレード的な取引
(完全なフェアトレードと言い切ってしまうには語弊があるのであくまで「的」な)
をさせていただけていることが、本来自分が目指したかったことでもあるので、
この業者さんとの出会いは貴重だったなと思います。
私が今から言葉も覚えてモロッコに移住して、
彼ら彼女らの自立や成長を直接促していくのは難しいでしょう。
でも、この業者さんを通して日本に居ながらにして彼ら彼女らの自立、
成長に加担くらいはできている事が、
このショップを立ち上げた意味があるんだなと再認識いたしました。
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