モロッコ旅行記Season1 <7日目>「マラケシュ2」
モロッコの旅7 「マラケシュ2」 ~ヘナタトゥー逃走劇~
マラケシュ
本日は終日自由行動。
朝からアザーンが鳴り響く。
アザーンとはイスラム教における礼拝の呼びかけみたいなもので、
一日5回それぞれの町にあるミナレットという高い塔から決まった時間に、
男性の礼拝を呼び掛ける歌(?)が大音量で流れる。
テープの所もあるらしいが、生声の所もあり、
昨日の若者は「よく聞いてると途中で”うっ”って詰まったりしてるよー。」
と言っていた。(^ ^;)
アザーンは朝は4時くらいから始まる。
何もこんな時間からやらなくても…と思うが、イスラム教徒は一度起きてお祈りし、
また寝るらしい。大変だなぁ。
今日は日本にいる時に「地球の歩き方」の掲示板でやりとりして、
マラケシュで会いましょうと約束していたNさんと行動する予定でいた。
10時にホテルまで来てくれることになっていたので、
それまで旅の最初にアハメッドに渡された今回の旅についての
アンケートを書いたりしていた。
最終日に提出するものだ。
アンケートを書いている途中、何故か涙がぽろぽろこぼれた。
寂しいというよりは、みんな良い人だったなと思ったら、
自動的に涙がこぼれた。
特にアハメッド。
ずっと一緒に旅をしているうちに情が移ったのだろうか。
明日、別れる事を思ったら涙が止まらない。
まいった…。今からこれでは明日が思いやられる。。
私は海外に限らず旅行に出ると、一度は家に帰りたいなぁとか、
みんなどうしているかなぁ?とか思ったりする。
でも、不思議とモロッコに来てからはほとんど日本の事は思い出さなかった。
部屋に一人でいると、しんみりしてしまうので、早めにロビーに降りて、
Nさんを待った。
モロッコに来てから連絡がとれなかったので、ちゃんと会えるか心配していたけど、
しばらくしてNさんが現れほっとした。
Nさんももうマラケシュは数日いるのでいろいろ見てしまったらしい。
私もお土産などは結構買ってしまったので、欲しい物もそんなになかったのだが、
サハラの砂を入れるような小ビンやかごバッグくらい買おうかな?と、
なんとなくスーク(市場)を歩き始めた。
↑マラケシュも猫が多い。
↑スーク。細い路地に人、車、ロバ、バイクもがんがん通る。
いろいろ見て、かごバッグの店に入った時に、よさげなのがあったので、
値段交渉を始めた。
(ここでは全て買い物は値段交渉で買う)
ダメもとで30DHでOK?と聞いたら(今思えば私の言い値もひどいが…)、
あっさりOKと言うので、「えー、マジでー。」と30DH渡したら、
店のおっさんはさっとお金を自分のポケットに入れ、
伝票に600DHと書いて渡してきた。
「話が違う!30でいいって言ったじゃん!」と文句を言うと、
頑として600と言って譲らない。
「じゃぁもういらないから30DH返して!」というとそれも返してくれない。
「600払え」と言い張る。
頭に来て「No!! Back Money!!!!」と、何度も叫んでいたら、
しぶしぶ20DH返してきた。
まだ10DH足りない。この期に及んでごまかそうとしているのだ。
更に「No!! 10DH!!!!」と叫ぶと、5DH返してきた。せこい。
「5!!!」と更に叫んでやっと5DHも返してもらった。
はぁ~これがみんながいうぼったくり商人根性か…と、身をもって体験した。
買い物ももうめんどくさくなったので、
昨日若者が「アボカドジュースがおいしかった」とおすすめしていたので、
その店に行ってアボカドジュースを飲んだらおなかがいっぱいになってしまった。
↑ジョッキになみなみとアボカドジュース。
クリーミーでほんのり甘い。
ランチをしようと思っていたのに、二人ともあまりお腹が空かず、
とりあえず定価でモロッコの物産が買える伝統工芸館に行ってみたりもしたけど、
特に欲しい物もなく、スークよりもちょっと高かったのでそこも出た。
夜、もう一人日本人の女性がマラケシュ入りして、
Nさんはその人とディナーを食べる約束をしているとの事だったので、
私もディナーを一緒にさせてもらうことにして、
明日の帰国準備のために一旦ホテルに戻る事にした。
ちょっと昼寝しようかな?と思ったけど、なかなか寝付けなかった。
なんとなくアハメッドの事を考えていた。
今まで良くしてくれていい人だって思って朝は感情的に泣いてしまったけど、
さっきのかごバッグ屋みたいに本当はチップ目当てとか、
所詮ビジネスでやってる事だったかもしれないと、妙に冷静になっていた。
部屋でごろごろしていても、もんもんとしてしまうので、
フィルムがあとちょっと残っていることもあり、ホテルの目の前の、
マラケシュのシンボルでもあるクトゥビアの塔の写真を撮ったりした。
聖子ちゃんの歌の「マラケッシュ 高い塔に 青い月が昇るわ~」の塔だ。
ちなみに70メートルくらいある。
ジャガランダの花がきれいだった。
ジャガランダはアフリカ地方に咲く日本の桜のような紫の花で、
ある期間限定でしか見る事ができないというのは以前どこかで聞いていた。
↑ジャガランダの花。なんてきれい。
アフリカなんて遠い場所に行く予定もないし、
行ったとしてもちょうどその時期に当たるなんてないだろうから、
一生見る事はないと思っていたジャガランダ。
今回見る事ができて、嬉しかった。
フィルムも撮りきり、ちょっと早いけど待ち合わせのフナ広場まで行ってみる事にした。
帰国間際で現金をあまり持っていなかったので、
ヘナタトゥーぐらいなら手持ちのお金で時間つぶせるかな?と思い、
ぷらぷら歩いていると早速ヘナの人が寄ってくる。
さっきのかごバッグ屋でえらい目にあったことをふまえ、
ガイドブックに相場は30~50DHとあったので、
今度はちゃんと紙にまずは安めの「30DH」と書いて「OK?」というと、
あっさり「OK」と言った。
「やった!」と内心喜んでタトゥーが出来上がったので30DH渡して去ろうとすると、
「足りない。」という。「え?」と聞き返すと300DH請求してきた。冗談じゃない。
「それはおかしい!」とさっきの紙を見せると30DHのDを0だと言い張る。
めちゃくちゃだ。
二人でしばらく「No! No!」と言い合っていると、
急に相手の女性が「あっ!」と誰かを見つけたようで追いかけていった。
はっと私を振り返り「1 minites wait !」と叫んで走って行くのを見て、
「逃げるならこの隙にしかない!」と傍にいた仲間のおばちゃんに「メルシ!」と、
30DH渡して猛ダッシュで逃げた。
後を追って来るんじゃないかと必死で横道に入り、更に走った。
マラケシュ…あまり良い事がない。。
しばらくカフェで身を隠し、待ち合わせ時間になって、
裏の方からこっそり待ち合わせ場所に行ったら、
Nさんはもう来ていて「あれ?こっちから来たの?」と言ったので、
「ちょっとフナ広場でいろいろあって…」といきさつを話したら、
「それは詐欺だ」と私が正しいと言ってくれた。
そして夕方マラケシュ入りした関西弁の女性とも無事に合流し、
ローカルな感じのお店でいろいろお喋りしながら最後のモロッコ料理を食べた。
↑最後の晩餐!!クスクスとオムレツとモロカンサラダ。
二人は明日朝から砂漠に向かうらしい。
「楽しんできてね~!」と二人に別れを告げた。