モロッコ旅行記Season1 <6日目>「マラケシュ」

モロッコ旅行記Season1 <6日目>「マラケシュ」


モロッコの旅6 「マラケシュ1」 ~お祭り広場の夜~


マラケシュ/ジャマ・エル・フナ広場




今朝は日程表より1時間早く行動開始。

日本のツアー会社からもらったプログラムでは、

アイト・ベン・ハッドゥは外観だけの予定だったが、

アハメッドがせっかくだから中に入って上まで登ろうと言った。



ここは昔、多くの家族が住んでいて、

敵の侵入から女子供や食料を守るために築いた要塞だ。

世界遺産となっているが、数世帯くらいの家族が現在も住んでいるらしい。







「今日は暑くなるよ」とアハメッドが言う。

「8時の段階でこれだけ暑いから、今日は暑くなる」とジャケットを脱ぐ。

「私、フリース着てきちゃったよー!」と失敗したーという顔をしてみせた。



スペインだかフランスだかの団体旅行者が、ガイドの説明を聞いているのを見ていたら、

そこのガイドに「ジャポネ?」と言われたので、「イエス」と答えた。

そのガイドが日本に行った事あるよ!と嬉しそうに言った。

「シナガワ カマタ シンバシ」に行ったらしい。

思いがけずローカルな駅名に笑った。



石段を上まで登る途中、日本人の団体にも会った。

「一人で来てるのー?」とおばさま方に感心された。

「パーフェクトなガイドがついてるんで!」と言うと、

アハメッドが「ありがとう!」と言った。

アハメッドが写真を撮ってるおじさんに

「No! Photo!(写真ダメ!←嘘だけど)」とちょっかいを出していて、

おじさんは「えっ!」と、びっくりしていた。

それを見て「He is surprised!」と二人で笑った。



登るのはちと大変で日差しも強く、フリースを脱ぎ、首に巻いていたストールを

「イスラミック風」と言ってイスラムの女性のように頭からかぶった。

アハメッドが「いいねー」って感じで自分のiPadで写真を撮った。



昨日ちょっと空気が悪くなってから、

私が楽しんでいるかどうか何かと確認してくるようになった。

何かある度に「Good?」「メズィヤーン?」と聞いてくる。

その度に私は「Good!」「メズィヤーン!」と答える。






↑頂上になぜかワンコが。かわいいワンコだ。





↑映画「グラディエーター」で使用した
デコレーションがまだ残されている。



頑張って頂上まで登り、反対側に下りる。

下りる途中で「昨日のカーペットの店に行きたい」と言ったら、

アハメッドは「あぁ、別に気にしなくていいよ」と言ったけど、

「とりあえずもう一度商品見たいから」と言って再びあの店を訪れた。



昨日最終的に迷っていた二つを並べる。

カーペットは赤や黄色、青など原色使いデザインが多いのだが、

一つは落ち着いた明るめのグリーンのモロッコ絨毯にしては

珍しい色合いでシンプルだけど可愛い感じのもの。


もう一つは昨日アハメッドがおすすめしていた

赤や黄色、青が細かく織られたデザインの小振りなものをもう一度冷静な目で見て、

グリーンのやつが「可愛いな」と思ったので、納得した上でそれを買う事にした。



絨毯屋のおじさんが「ファティマ!ファティマ!」と誰かを呼ぶと、

奥から一人の女性が出て来て、商品を梱包してくれた。

彼女はアラビア語しか話せないようで、カーペットと自分を交互に指差して、

何かを言っていた。

「このカーペット、私が作ったのよ!」と言っているようだったが、

アラブ語なので実際のところはわからない。

でもとても嬉しそうな顔をしていて、みんなハッピーな空気になったので、

カーペットを買ってよかったなと思った。



こちらにとってはちょっと出費した程度でも、

現地の人にしては大きなお金なのだろう。

そんないきさつで買ったカーペットだけど、日本に帰ってきて見てみたら、

不思議と買ってきたお土産の中で一番素敵だった。





↑自宅にて。その時買ったカーペット。



さて、次の目的地、いよいよマラケシュへ向かう。

今日もアラビア語と日本語の練習。

「ワヘッド ジュルージュ ザラーザ アルバン カムサ

 シッツァ セヴァ サマーニア ジージャ アシュラン」

と、「イチ ニ サン ヨン ゴ ロク ナナ ハチ キュー ジュー」

それに加えて今日は「空」「大地」「太陽」「川」「家」を教え合った。

途中で「うー!忘れた!」とか「えっと、何だっけ?」とか

お互い言いながら今度はハイアトラスを超える



ハイアトラスはかなりの急カーブが続く山道。

一部へびのように曲がりくねった区間もある。

高いだけでなく幅も結構ある山脈だ。

ひたすら山道が続く。






ほんと、モロッコに来てからというもの、
日本がいかに小さな世界か思い知らされる。





↑何度も書きますが、写真ではスケール感が全く伝わらない。
ものすごい高低差と奥行きがある。



アハメッドはふざけてぶんぶんハンドルを切りわざと車を揺らす。

「アイム クレイジー ドライバー!」とまた言ってるので、

半ばあきれぎみに「I don't forget you」というと、

「Me too!」という。

なぜなら一人の客を乗せたのは初めてなのだとか。

「だいたい二人、三人、五人とかだよ。」と言ったので、

「へー、そうだったんだ。」と実はさぞかし気を使っていたんじゃないかなと思った。



風が強く寒いアトラスを下ると、そこは暑いマラケシュ。

一日のうちで気温差が激しい。



マラケシュはアハメッドの住む街。

「娘に会える~!」と嬉しそうだった。



マラケシュに到着、またローカルガイドと交代になるが、

ここでも日本語が話せるガイドを見つけてくれた。

入り組んだ旧市街は歩きじゃないと回れないので、アハメッドは早々に帰っていった。

明日は終日自由行動なので、アハメッドに会うのはもう最終日だけだ。






↑アグノウ門。
この前でアハメッドと2ショット写真を撮った。
彼の写真はその1枚きり。



マラケシュのローカルガイドと名所を回る。

説明以外はあまり話さない人で、

名所も外国人旅行者でごったがえしてそんなに面白くなかったので、さっさと出た。

スークという小さな店が立ち並ぶ迷路のような市場も次の日買い物しようと思っていたので、

特に見たい物もなく素通り。



お祭り騒ぎのジャマ・エル・フナ広場を見下ろせるカフェで

ミントティーを飲むのが本日最後のプログラム。

一年中屋台やパフォーマンスをする人々で賑わっているフナ広場だが、

この時間はまだそれほどごった返してはいない。

隣の席のアジア人の男性が西洋人に写真を撮ってもらっているなぁと

ぼんやり見ながらお茶をしていたら、

その男性が私に気づいて「日本の方ですか?」と日本語で聞いてきた。

また日本人に会った。





↑この旅行中、何度飲んだかわからないミントティー。



今回の旅では、不思議とガイドが離れると日本人が現れて、

全く寂しい思いをしないで済んでいる。

その若者はもう3日もマラケシュにいるが初めて日本人に会ったと言う。

私もどうせこれで今日のプログラムは終わりだし、夕飯も一人じゃ寂しいので、

これから夜まで行動を共にすることにした。



下で待っていたローカルガイドに「もう帰っていいよ」と告げ、

私はこの後モロッコワインが買いたかったのだが、

新市街にあるという事しかわからないので、

どうしたものかと思っていると若者に言った。

そしたら若者はもう何度か新市街まで言っているらしく、iPadも持っているので、

ワインの売ってそうな場所を調べてくれて、

歩きだと結構遠いからとタクシーも値段交渉してつかまえてくれた。



ワインはスーパーに売っているようだったので、地元のスーパーに行く。

物珍しい食品がいっぱいで、若者は「わーすごい楽しい~」と喜んでいた。

明日の朝食用のパンなどを買っていた。

私も無事にワインをゲットし、またフナ広場に戻った。





↑スーパー、結構充実しています。



夕暮れのフナ広場は賑わいを増していた。

若者がソーセージの屋台が美味しかったよと言うので、

その屋台に向かったけど、それまでの呼び込みがすごいすごい。

「ザキヤマキター!」とか「マツコデラックス!」「タカダノババ」など、

どこで覚えたんだ?という日本語で話しかけてくる。

それらをかわし、目当ての屋台へ。



パンとソーセージとトマトソースで15DH。200円くらいかな?(安っ!)

でも若者は、「えー!昨日は一人で60DHって言われた!」とショックを受けていた。

「屋台で60DHは高いと思うよ!」と私は言った。

おそらくぼられたのであろう。ここはそういう所だ。





↑屋台のお兄さん。



モロッコは比較的治安の良い国だとは思う。

犯罪めいた雰囲気はあまりない。

だけど、こういったぼったくり的な事は多々あるのだ。

それは明日身をもって体験する事となる…。



屋台を出て、フナ広場名物のフレッシュオレンジジュースの屋台でのどを潤す。

オレンジジュースはどこで飲んでも間違いない。

しかも4DH。若者も「何回も飲んだよ!」と言っていた。



暗くなるにつれて、広場はどんどん人が増えてきたように思う。

整列したペットボトルをドーナツみたいな輪っかで取るゲームをやっている人たち。

絶対取れないと思うんだけど。。

しかもこれ、もし取れてもジュースはもらえないらしい。

意味わからん。



赤い派手な衣装を着た水おじさんもあちこちにいた。

水おじさんとは水を売っているのではなく、

水をあげるという気持ちに対してお金をくれというこれまた意味不明な存在。

写真撮るとチップを要求されるそうなので、写真はない。

(気になる人はグーグルとかで調べてね)



若者は明日早朝にはトドラに行くそうで、ここでお別れとなった。