モロッコの小さな町を通り抜ける時
約半年前、一週間ほどかけて
モロッコの主要都市を乗用車で巡る旅をしていました。
その途中には花々が咲き乱れるメルヘンチックな風景もあれば、
荒涼とした渇いた大地が広がる風景、
ダイナミックな岩山が迫る風景など、
その車窓からは様々なモロッコの表情を見ることができました。
どの風景も心に強く印象に残るものでしたが、
小さな町や集落を通り過ぎる時も好きでした。
黄色いワゴン車が目立つのか、沿道にいる人は皆私を見ていました。
(そして思ったより車の中が見えるのだなと思いました。)
時々手を振ってくれるおじさんもいたりして、
ちょっと照れながら手を振りかえしてみたり。
そして、観光地ではない町の、
リアルな人々の生活が垣間見れた気がして楽しかったな。
でもモロッコ南部の田舎の町で不思議に思ったことがありました。
よく沿道にオープンテラスのカフェ
(と言ってもお洒落なカフェではありません)があり、
昼下がりの午後の時間、
のんびりお茶をしているおじさん達をよく見かけました。
「こんな時間に皆のんきにお茶して、
仕事はどうなっているんだろう?」と疑問に思っていると、
まるで私の疑問を察したかのようにドライバーガイドが、
「あの人たちは仕事がないんだよ。」と言いました。
「仕事がないから何か仕事の情報を得るために
カフェにやってくるんだよ。」とのこと。
そして、そのカフェのお代は無料なのだそうだ。
仕事が決まって、お金が払えるようになったら
払うということでOKなのだそうだ。
仕事のない人がこんなにいるんだなという事にもショックを受けたり、
そのカフェの粋なシステムにも感心をしたり、
その小さな町を通り過ぎたほんの少しの時間に、
いろんな思いが湧いたのでした。
失業中でも明るく、観光客の私に笑顔で手を振ってくれるおじさん。
そんなモロッコのおおらかさとか、
たくましさは私の心に深く何かを残したのでした。
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