モロッコ旅行記Season2<5日目>「タズナフト」
五日目 「タズナフト」~予定不調和と折り合いと~
カラフルなドア(タズナフト)
昨日の夜は知恵熱が出そうだったけど、一晩寝たら多少すっきりし、エネルギーも回復。
しかし今日も絨毯屋とのバトルを思うと気が重い。。。
朝食を食べているとスタッフの男の人が「どうですか?」と時々声をかけてくれる。
マラケシュはアラブ系やモロッコ土着のベルベル系、ちょっとヨーロッパっぽい人もいたり様々だけど、
アトラスを超えたワルザザード辺りは、シュっとした背の高い細身の黒人に度々出会う。
アラブ系の人の話し方は「怒ってるのかな?」とたまに思うくらい「わーわー」と話すけど、
この辺りで見かける黒人は話し方もソフトで物腰も柔らか、見た目に反して優しい雰囲気の人が多い。
ここのスタッフもシュっとした黒人で、やはり優しげで、
頭から湯気が出そうだった昨日の夕食時もかなり癒されました。
お宿も素敵な雰囲気。
エキゾチックなムードの色合い。
インテリアは素敵なんだけど、飾ってある絵がちょっとコワイ。。。。
今日はワルザザードを出て、タズナフトという街に向かいます。
「タズナフト」は絨毯の種類の名前でもありますが、
まさしくタズナフトで作られているから「タズナフト」という名前がついています。
タズナフトのお店にも絨毯を織るスペースがありました。
織っている姿は見れませんでしたが、これはアフニフを織っている途中かな?
毎度のごとく様々なアフニフを床に広げていき、それを私がチョイスしていきます。
極小サイズが欲しかったのですが、ちょうどそのサイズが何枚かあったのでそれを買い、
あとはちょっと珍しい黄土色のものも買いました。
値段は、やはり昨日と同じ位か少し安いくらいで、
おそらくもうこの辺りはこれ以上下がらないだろうなと思い、
その金額で何枚か購入しました。
それにしても、通常絨毯の産地で作られた絨毯達は、業者に買い取られてマラケシュに集められ、
そこでまたセリにかけられて各絨毯屋に行くというのが、ざっくりした流れであり、
それ故マラケシュでの価格が高くなるのは理にかなっているけど、
なぜ産地の方がこれほど価格が高いのかは結局の所わからずじまいでした。
しらみつぶしに産地の絨毯屋を巡ればもっと安い所もあるのかもしれないけど、
今回はこれ以上探すのは時間的にも不可能でした。
タズナフトは、サフランも有名なのかハッサンと絨毯屋さんは「サフランのお店に行く。」というので、
ちょっと立ち寄る事に。
タズナフトは中くらいの規模の町です。
サフランは高価なものなのか、ここで買うと安いのか、
小さな容器に入ったサフランをいくつか買っていました。
おじさんがサフランを量って小さな容器に小分けにしていきます。
超ローカル感溢れる店構え!(っていうかお店ってわからない!!)
でも、こういう地元感ある所の方がガイドブックにも無い知らない世界が見れてわくわくします。
目立たなそうだけど、わりと賑わっているお店です。
ここでモロッコまめ知識。
よくこのように壁に枠と数字が書かれているのを見かけますが、
イスラム教の国ということでか宗教的な意味合いがあると思っている人もいるようですが、
これは選挙のためのものだそうです。
選挙でどう使うのかはイマイチわかりませんが。。(ポスター貼る訳ではないよね?)
その後、ハッサンと絨毯屋さんと少しお茶をして、次の街タルーダントを目指します。
タズナフトからタルーダントまでの道は、正直これと言って見所もなく、またしても寝てしまった。。
でも、途中アーモンドの花がたくさん咲いている所がありました。
アーモンドの花は2月ごろ見頃を迎えるそうです。桜よりちょっとぼんやりした感じの花です。
冬の終わりを告げるアーモンドの花。
そして小さな町のレストランでお昼。今日はハッサンは気を使ったのかテーブルは別々でした。
ケフタタジンとポムス(アップルサイダー)!そういえば前回の旅でもトドラ渓谷で同じメニューだったな。
(しかもオープンテラス。)
ちなみに「ポム」がアラビア語でりんごだということを、今回の旅で知りました。
お昼を食べ、またしても長い長いドライブ。。
途中ハッサンがBGMでアフリカンミュージックをかけ、手拍子したり踊ったりしているので、
私もマネして踊っていたら、クールだと思っていたハッサンも調子が出て来たようで、
音楽に合わせて歌い出し、「これ、自分が歌ってるんだ!」と、オーディオを指差すので、
「え?ほんと?」とよくよく聞いてみると確かに同じ声。
「あなたシンガーなの?」と聞くと「時々。」と答えた。
ハッサン、めっちゃ歌上手い!!そして意外な事実!!
「アフリカンミュージックのCDが欲しいな。」と言うと「明日持って来てあげるよ。」と言ってくれました。
ハッサン、正直最初ちょっと怖かったけど良い人♪
そして夕方前くらいにやっとタルーダントに到着。馬車の蹄の音が響き渡り、わりと賑わっている街です。
まだまだ明るい時間だったけど、宿に着いたらハッサンが
「今日の予定はもうこれで、クローズ!ひとりで外に出かけたりしないでね。」という。
ひとりでぶらぶらするのは、ちょっと危ない場所なのかな?
ハッサンは私の部屋まで荷物を持って来て「ちゃんとドア閉めてね!ほら鍵も!」という感じで
急に世話焼き兄ちゃんみたいになっておかしかった。
そんな心配をよそに今日のお宿もほのぼの良い感じ。
その宿には猫がいて宿のスタッフも「マリサ~(猫の名前)」と猫と戯れていて和む。
明るくて落ち着いた雰囲気。
テラスにはくつろげるスペースも。
お部屋のインテリアも可愛い♪
いかにも女子が好きそうな感じ♪
ハッサンの言いつけ通り、この日はその後宿で大人しく過ごしました。